糖尿病治療に関する院長の考え方

 糖尿病治療成績 2012年 (治療成績2013年,2014年はこちら)




 糖尿病治療の目的とコントロールの指標

糖尿病は血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上昇することによって、様々な合併症が起こる病気です。糖尿病は体の機能が低下することによって起こる病気で正常な状態に戻ることは無いと考えられています。そのため治療の目的は血糖値を正常に近い値にコントロールすることによって糖尿病による傷害が起きないようにすることです。

血糖コントロールの指標HbA1c
血糖コントロールの指標としてHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値が使われます。これは血液中の赤い成分であるヘモグロビンがブドウ糖と結合して変化したもので2-3ヶ月の平均血糖値の指標となるものです。HbA1cの値が高ければ血糖値が高い状態が続いていたと言うことになります。
治療の目標値は
下の表に示すようにHbA1c6.5%未満が目標になっています。2012年4月からHbA1cの表記の仕方がこれまでの日本糖尿病学会(JDS)値(表の白抜きの数字)から国際的に使用されている新しいHbA1c(NGSP)値(表の黒の数字)に変更することとなっていますが当院では患者さんになれたJDS値で示しています。


NGSP値=JDS値+0.4と換算されます。


 
 
豊頃医院の糖尿病治療成績2012年

 
 


 2012年12月時点の糖尿病の治療成績です。HbA1cの値は全てJDS表記です。

豊頃医院通院中の患者さんのうち評価可能な患者さん(160名)の治療成績です。

患者さんは治療開始時のHbA1cの値で重症度別に階層化(A-D)しています。グループAは治療開始時HbA1cの値が6.0%未満(42名)。グループBはHbA1cの値が6.0-6.9%(58名)、グループCとDはそれぞれ7.0-7.9%(22名)、8.0%以上(38名)です。

図1は治療開始から2012年12月時点までのHbA1c(JDS)の変化を示しています。治療開始時の平均のHbA1cは7.1%でしたが2012年12月時点の平均値は5.7%と目標値である6.5%を大きくクリアし、検査正常値である5.8%もクリアしています。良好な治療成績となっています。


 
   図1治療によるHbA1cの改善効果  

 
 
  図2は糖尿病患者さんの重症度別に階層化したグループごとのHbA1cの変化を治療開始時から直近の3年間の平均値の推移を示しています。各グループとも治療によりHbA1cは改善し安定した値をとっていることがわかります。HbA1c8%以上で開始したのグループDでも2012年12月時点で平均6.23%と目標値をクリアしています。
   
図2 糖尿病重症度別HbA1c改善効果 
 

  図3は糖尿病患者さん160名のうち2012年12月時点でのHbA1c目標値6.5%と検査正常値5.8%の達成率を示しています。
糖尿病治療目標値6.5%の達成率は90.6%と多くの患者さんが治療目標をクリアしています。また、5.8%の検査正常値を71.9%の患者さんが達成しています。
   
       
   図3 糖尿病治療目標達成率とHbA1c正常化率     
     
     
  図4は糖尿病患者さん160名のうち2012年12月時点でのHbA1c目標値6.5%の重症度グループごとの達成率を示しています。治療開始時8.0%以上のグループDの患者さんでも78.9%が治療目標値を達成しています。  
     
   図4 糖尿病重症度別HbA1c治療目標達成率  
     
     
   図5は糖尿病患者さん160名のうち2012年12月時点でのHbA1c検査正常値5.8%の重症度グループごとの達成率を示しています。治療開始時8.0%以上のグループDの患者さんでも52.6%がHbA1c検査正常値5.8%を達成しています。   
     
   図5 糖尿病重症度別のHbA1c正常化率  
     



   
         
         
     
      

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